家庭学習の管理

 

自宅学習と言っても、お子さんだけで自習しながら中学受験に合格するのは至難の業です。
つまりお母さんやお父さんが常にチェックしながら、カリキュラムを組み、その進捗状況をまた確認しなくてはならないのです。

1 週の学習計画を立てる
学習計画を立てるためには、正しい現状分析が何より必要です。
四谷大塚の予習シリーズの解説を見て「これはとても1人ではできない」と思うのか「少し頑張ればできそうだ」と思うのかは、お子さんではなく、親御さんの方が正確で客観的に解るはずです。
少なくとも中学受験をやろうとする子供は学校の成績は悪くないはずです。
なので、「とても1人ではできない」とは感じないはずです。

予習シリーズの第1回から「例題」を丁寧に解説し、お子さんの状況から判断して「1週間でどれくらいのペースが良いのか」を判断しましょう。
四谷系の進学塾では1週間に1回分のペースで授業が進んでいきます。
たった50分くらいの1コマの授業で新しい単元の基本部分を理解して帰らなければならないのです。
もちろん定着させるために宿題が出されますが「宿題を終えることが仕事」となってしまう子供が多くいるのです。

しかしながら、自宅学習ではお子さんのペースに合わせてスケジュールを立てることができます。
計画を立てる際の注意点は、「目標」を明確にするということです。
「何を目標にして1週間の勉強をしていくのか」をお子さんにしっかりと理解させてください。

例えば・・

[目標:算数]
@予習シリーズの「例題」を完全に解けるようにする
A基本問題の正答率100%、練習問題正答率40%を目標にする

[スケジュール:算数]
(月)例題の1〜3を理解し、類題を2問づつ解いてみる
(火)-
(水)残りの例題を理解し、類題を2問づつ解いてみる
(木)-
(金)基本問題をすべて解く
(土)基本問題を解き直し、練習問題を解いてみる
(日)演習問題集を解く


2 実行する
決められた計画は、原則として、確実に実行する習慣をつけましょう。
ただし体調不良などでその日に勉強ができない場合もありますので、そういう場合は1週間の枠の中で終えるようにしましょう。
健康を害してまで、無理に勉強させるのはよくありません。
たまに眠くなってしまって勉強できなくなるのは自然なことです。
もし勉強するのが「子供の頃の自分だったら」と考えてみましょう。

 

3 繰り返し練習する
基本問題は土曜日の解き直しの段階で、全部自力で解けるようしておきましょう。
何度も繰り返し解き直しをする必要があります。
全部解けるようになったら練習問題にも挑戦しましょう。

練習問題で解けなかった問題は、日曜日に時間があればもう一度解いてみましょう。
ただし、あくまで「時間があったら」でかまいません。
練習問題は40%とれれば十分であると考えましょう。
また時間を見つけて、もう一度繰り返すつもりで解き直しましょう。

「例題」と「基本問題」を完璧に仕上げれば、中堅校に合格できます。
また、採点は親御さんがやりましょう。
子供が採点すると甘くなるものです。
大人の目で見てみると・・・

・効率の悪い計算方法をして時間をロスしている
・同じところで同じミスをしている
・ノートの使い方が悪い
・文字がきたない
などです。


4 確認する
ここでは解答をチェックするというよりも、お子さんの理解度を確認します。
例えば「いつもは基本問題を50分で終わるのに、今回は90分かかった」などです。
そういった場合、基本問題が満点であっても、苦手になる可能性があります。
また「この単元は30分で終わった」というのであれば、復習する必要はないかも知れません。
そういうところをチェックしておいて、後の計画に活かしていきましょう。
とにかく基本問題を反復し、基本を完全に理解させることが最優先です。


5 次の目標を決める
1週間を1つのサイクルと捕らえて、次の学習計画を立案します。
これまでチェックした内容を次の1週間に活かし、「来週は何をすべきか」という策を練るわけです。
ここが一番大切な部分です。
ここでの考え方で以後のカリキュラムが変わってしまうため、真剣に考えてあげましょう。
もうやる必要もない単元を繰り返してはいけません。
その代わり、苦手な分野の復習をした方が良いわけです。
そういう区別を親御さんがしっかりと行う必要があります。
子供は自分の苦手な単元は自分からはやらないものです。

 

長時間勉強しても成績が伸び悩んでいる受験生は、「確認」と「次の目標を決める」を行えていないと思います。
親が塾に任せたっきり、子供の勉強に関与しないと、誰も学習進度を確認できません。
塾の先生はテストの点数と偏差値のみで判断するもで、指導には限界があります。
細かくチェックしながら基本を完璧に理解するためには、親の係わりがどうしても必要になるのです。

 

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