時間の使い方

 

受験勉強の場合、どうしても解けない問題や難しい分野が出てきます。
日々の自宅学習の時間を決めて、その時間内で終わるように1週間の学習を計画しても、難しい問題で予定外の時間を使ってしまうことがあります。

「今日はこの単元を終えるはずだったのに・・・」
「明日に繰り越すと予定が大幅に遅れてしまう・・・」
「今日中に終えないと試験に間に合わない・・・」

勉強の面倒をみている者としては、予定通りに進まなければと焦って、お子さんに無理な勉強をさせてしまいがちです。
2時間の勉強予定が、3時間・・・4時間・・・。
これではお子さんは受験勉強を嫌いになってしまいます。
子供は親の機嫌を敏感に感じながら暮らしているものです。
大人からみれば小さなことが、子供のストレスになるのです。

これを予防する秘策があります。
「10分リミット制」です。
10分リミット制とは、10分考えてもできない問題は飛ばして、次の問題に進むというものです。
特に算数の文章題は、10分考えてできない場合、まず20分考えてもできません。
次の問題に進みましょう。
そして、その日の範囲を終えた段階で、じっくりと解説を読ませましょう。
そして、次の日に、解説を見ないで1人で解かせましょう。
だいたい解けるようになるものです。
もし解けなかった場合、前日と同じように10分考えさえ、その日の範囲を終えた段階で、再びじっくりと解説を読ませましょう。
それを繰り返せば、必ずできるようになります。

受験勉強をしていると時間に追われ、解けない問題はすぐにその場で解説を読んで分ったつもりになってしまいます。
しかし、解法を理解させてもすぐに忘れ、本当の実力につながらないことが多いのです。
それでは理解力の育成にはなりません。
あくまでも自力で「一生懸命に考える」という姿勢を身につかせてください。

10分リミット制で翌日に問題が解けても、安心してはいけません。
もう一度確認を週末か月末にまとめて解き直しさせましょう。
10分リミット制でつまづいた問題ばかりを週末か月末にまとめて解き直をします。
算数は各単元ごとに学習するので、単元をまたぐ度に頭のスイッチが切り替わります。
縦に学習していたものを横から学び直すようなイメージで、臨機応変に対応できる能力を育成するという点で非常に有用なことです。
これで解けるようになれば、実力はかなりついたと言ってよいと思います。

解けない問題は何度やっても解けないと思う方がおられるかも知れません。
しかし人間の脳は、何度も考えていると、難なく理解できてしまうことが多々あるものです。
みなさんもそんな経験が1度や2度はあるはずです。
限られた時間に真剣に考えることが重要だと子供に教えこむことが大切です。
「そうかっ!」とひらめいた瞬間に脳が刺激され、知力が発達することが研究者の間で判っています。
何度も何度も10分リミット制を繰り返し、考える力を育成していきましょう。
ぜひ試してみてください。

自宅学習では、時間が自由に組めるために、どうしてもダラダラしてしまいがちです。
10分リミット制で時間を有効に使い、学習進度が遅れないようにしたいものです。
ちなみに10分リミット制も問題点があります。
それは解説を見てもお子さんが解けない場合です。
ここで初めて親御さんが解説して理解させましょう。
また問題の難度は、子供の学力に合ったものに限り、親御さんが適切なルールを柔軟に決めても大丈夫です。

 

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