社会

学習方法

子供にとって親しみやすい科目である社会も、中学受験レベルとなるとなかなか大変です。
膨大な情報を整理して順序立てて覚えるのは、なかなか大変なものです。

四谷大塚のテキストを見ると、5年生の前半で地理を学び、6年生になるまでに歴史を短期間で終えます。
6年生になると公民分野へ入り、次から次へと覚えなくてはならないものが出てきます。
特に歴史と公民は聞いたこともない言葉が頻出するので大変です。
何度も反復しないと定着しないので、概ね6年生の7月末頃までには全ての履修範囲を終えたいところです。
最近の入試では「考える力」も求められますが、「覚える学習」があくまでも中心になっています。
つまり学習塾での授業だけでは学習量が不足するわけです。
塾での授業は「説明」が主なので、定着はしません。
自宅学習でしっかりと反復して、知識を着実に定着させましょう。

まずは地理分野を固めましょう。
とにかく5年の夏休み中に地理分野を完成させるのです。
それで、安心感がもてます。
5年生後半の歴史分野、6年生前半の公民分野は地理よりも情報量が膨大です。
地理をあいまいにしておくと、後で学習する時間がとれず、お子さんが混乱してしまうでしょう。
先手必勝で、地理を確実に得点できるようにがんばりましょう。

また社会まで勉強時間をまわせないこともあるでしょう。
どうしても算数と国語に勉強時間をとられてしまい、社会はおろそかになりがちです。
「後でまとめて覚えよう」と考えていると、間に合わなくなるでしょう。

できれば4科のバランスを考えて学習時間を決めましょう。
週に2時間くらい社会の時間をとれれば、問題ないはずです。

なお、地名・人名などの用語はきちんと漢字で書けるようにしましょう。
せっかくの知識なので、確実に得点できるようにしておきたいところです。


<地理>
地理は知識だけで十分と思われがちですが、実際はそうではありません。
さまざまなグラフなどを読み取らせたりもします。
小学校ではこうした体系的な学習はしてきてないので、5年生になって、急激に詰め込む学習にとまどうことでしょう。

普段の生活に学習の要素を取り入れられれば理想です。
例えばスーパーに買い物にいって、この商品はどこで作られたのか地図帳なので調べてみましょう。
全国にある漁港なども、調べてみると楽しいでしょう。
自宅の周辺の地図を取り寄せて断面図や地図記号の読み取りをしてみても面白いでしょう。
こうしたことを4年生までに行っていれば、地理分野はかなりスムーズに導入できるでしょう。

市販の問題集を使用する場合に気をつけたいのが、改定がなされずにデータが古いまま掲載されていることです。
中学受験では、最新の数値を解答に求められます。

地理分野の学習で有効なのが白地図による学習です。
山や川、平野や盆地、湾や半島や漁港などを北海道から沖縄まで地域に区分けして覚えましょう。
その際に、単に覚えるだけではなく、全てを関連付けていく工夫が大事です。

「○○山地から流れ出た水が△△川となり□□平野を流れ、その平野では稲作が盛んである。」

水は高いところから低いところへ流れるため、通常は山→平野→海という順番になります。
そしてその水を使って、さまざまな産業や伝統工芸が盛んになってきているのです。
そんな関連を踏まえて学ぶのが地理なのです。
それぞれを個別に覚えていくのは大変です。
関連付けしていけば、意外に容易に覚えられます。

また気象を覚える場合でも、どうしてそういう気候なのかを考えて覚えましょう。
例えば新潟や山形はどうして雪が多いのか?
瀬戸内海はどうして雨が少ないのか?
そういったことを踏まえれば、記憶も定着します。

また、全国的な交通機関、輸送経路なども、各地域の産業とからめて学習しておきましょう。
テキストは四谷大塚の予習シリーズとサブノートで十分です。

時事問題はどの学校を受験する場合でも必須です。
配点は決して少なくありません。
最近では環境問題や食料問題、少子高齢化など確実に理解しておく必要があります。
ニュースで頻繁に取り上げられる言葉は、その意味を覚え、考えをまとめて書けるようにしておきましょう。
子供新聞などに興味を持って目を通していれば、時事問題は困りません。


 <歴史>
歴史は社会科で最も得点源になる科目です。
ただ、歴史が苦手な子は多いように思います。
苦手な原因は、似た名前が多いのが原因の一つのようです。
足利尊氏、足利義満、足利義政、足利義昭・・・。
誰が誰だか分かりません。

私の学習法は、「マンガ日本の歴史」を読む、でした。
歴史(history)は物語(story)です。
ドラマだと思って、ストーリーを覚えれば良いのです。
なにも、学習参考書で覚える必要はありません。
マンガで良いのです。

大手出版社が出しているシリーズをネットで取り寄せてください。
新品である必要はありません。
中古で十分です。
暇な時にソファの上でくつろぎながらマンガで歴史の流れを覚えていってください。
その上で、予習シリーズなどで詳細な知識を覚えていけば、すぐに知識は定着するでしょう。

もちろん年号などは、語呂合わせなどを活用して覚えていってほしいです。
理屈抜きで覚えなければならないものもたくさんあります。
しかし、歴史は大まかな流れを知っていると、解ける問題が多数あります。
小学3・4年生の時間のあるうちに、漫画を読む習慣をつけておくといいでしょう。
私は、「マンガ日本の歴史」を何度も繰り返し読んだので、社会の歴史で困ったことはありませんでした。

マンガを覚えた上で、予習シリーズの社会をやれば、抵抗感なく詳細な知識を覚えられるはずです。
いきなり「100覚えなさい」ではなく、マンガで60覚えた後「じっくりと残り40を覚えなさい」と言えば良いのです。
社会は安定的に得点源になる科目なので、偏差値65を目指しましょう。
社会に関しては、予習シリーズを全て覚えれば、65になるはずです。


<公民>

公民は難しいです。
覚える量もそうですが、「公共の福祉」とか「衆議院の解散」など、小学生には難しい単語が並ぶからです。
ただ、頻出の箇所は絞れますので、細かい箇所を捨ててしまえば、それほど時間はかかりません。
問題は、小学生には頻出の箇所が分からないことです。
ここは、大人が上手くリードしたいところです。
高校受験とほぼ同じなので、親御さんにお願いしたいところです。

問題のパターンは決まっているので、ある程度レベルの低い過去問を数やれば、自ずと安定した得点がとれるはずです。
時事問題などは、5つか6つ予想問題を示してあげたいところです。
日々のニュースの中から、重要なものだけをお子さんに解説してあげてください。
総理大臣の名前など、漢字で書けるでしょうか?単に記憶するだけでなく、その仕組みをお子さんが理解できているか確認してください。
近年は、記述形式で出題する学校も多いので、お子さんが自分の言葉で説明できる必要があります。
何かの用語を問うよりも、その用語を説明してもらうのです。
それができれば理解は本物ですし、用語を忘れることもないでしょう。
いずれにせよ、お子さん一人で勉強するのは大変な分野なので、親御さんが協力してあげてください。

                 

科目別対策 トップへ

科目別対策

 

inserted by FC2 system