文章題について

 

<算数と国語の読解力>
中学受験の学習の全般について言えることですが、まず国語の読解力がすべての基本になっています。
しかし、中学受験の国語の読解力と算数の文章題を解く際の読解力は同じではありません。
国語の読解力だけに頼っていても、算数の文章題はなかなか得意になりません。
まず、国語の読解力と算数の読解力の違いを理解しましょう。

国語の受験勉強では、文章を精読することが読解力養成に威力を発揮します。
一方で、算数の文章題は「条件を整理する」ことを求めるので、全く違った視点でとらえていかなければなりません。
算数の場合は、ある方法を繰り返し行う習慣さえつけて学習を続ければ、国語の文章を理解するよりもはるかに短い期間で読解できるようになります。


<文章題の読解力を身につける>
次の文章題を解きながら、その方法を説明しましょう。

2m60cmのテープをA、B、Cの3本に分けます。AはBよりも30cm長く、BはCよりも40cm長くするとき、それぞれの長さを求めなさい。

一度読んだだけで、すぐに式が書けるでしょうか?
中学受験では必須の線分図の基本を学ぶ「和差算」の問題です。
和差算の勉強は、まずここからはじめます。
5年生の学習をした受験生であれば、一読しただけで「何を問われているのか?」がすぐに理解できるはずです。
しかし、何度か読み返さなければ内容が理解できない場合、算数の読解力が不足していると言ってよいでしょう。

では読解力を養成する方法をご紹介します。
二度目に読み返す時に、ポイントとなる部分に全て線を引いていきます。

2m60cmのテープをA、B、Cの3本に分けます。AはBよりも30cm長く、BはCよりも40cm長くするとき、それぞれの長さを求めなさい。

こうすることで、「何がどうなっていて」「どう考えれば良いのか」道筋を立てることが容易になります。
この方法を癖にしていけば、知らずのうちに初見でアンダーラインを引けるようになります。

・全体は2m60cm=260cm。
・AはBより30cm長い
・CはBより40cm短い
・それぞれの
・長さ(を求める)

Bを基準に考えると、Aは30cm長く、Cは40cm短いことが分かります。

つまり全体から30cmを引き、40cmを足すと、Bと同じ長さの線が3本できます。

260cm−30cm+40cm=270cm
270cm÷3=90cm

Bは90cm

あとは30cmを足せばAが求められ、40cmを引けばCが求まります。

 


<図やイラストを描くようにする>
中学受験の算数では、線分図や面積図は必ず描けなくてはなりません。
まずこれが描けない場合、5年生後半から算数が空回りするでしょう。
線分図や面積図は算数の各分野の基本的な考え方を理解する上で、必須となるのです。

例えば差集め算や相当算だけではなく、旅人算なども線分図が描けないとまず解けないでしょう。
また教える側としても、まず教えられないでしょう。
描けないままで6年生になったら、様々な知識を組み合わせて解く応用問題は全滅でしょう。
また平均や割合の考え方は、面積図を使って理解します。

必ず線分図と面積図は描けるようにしましょう。
「描く」ことよりも「読む」ことの方が先なので、まずは図の意味を理解することから始め、問題を解く際は必ず自分で描いてから解くという習慣をつけましょう。
はじめのうちは図を描くだけで時間がかかりますが、根気よく描いてみましょう。
自分なりの図が描けるようになれば十分です。

 

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